日帰りで治療をすることが出来るレーシック手術ブログ：09 1 20
７年前に母が、続いて３年前にお兄さんが亡くなった。
それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたボクも、
さすがに一人実家に残った病を抱えた父親を思い、
約２０年ぶりに実家に帰った。
母が健在の頃から、
お酒を浴びるように飲むお兄さんと両親の仲は、
しっくりいかなかった。
そして母がクモ膜化出血で倒れ、
約二ヶ月の闘病の末亡くなった後は、
父親とお兄さんの関係は修復しがたい程にこじれていった。
母の死を自分のせいだと自らを責め続けるお兄さんには、
お酒以外に逃げ場が無かったのかもしれない。
酔っては暴言を吐き暴れるお兄さんを、
父親は悲しい目で見ていた。
そんな生活が災いして、お兄さんも亡くなった。
父親は「悲しいけれど、正直ホッとした」とボクに言った。
ボクは、実家に戻りしばらくたってから、
母が亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。
そんなある日見付けた手紙の束の中に、
父親から母にあてた手紙があり、
ボクは父親に内緒でそっと開いてみた。
それはボクが生まれて間もなく、
父親が出稼ぎ先から出したものだった。
内容は
「たまにしか会わないので、
息子たちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。
ボクは涙が止まらなかった。
お兄さんが生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。
仏壇の隅に父親の目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、ボクたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。
そして、父親も昨年亡くなり、
ボクは本当に一人きりになってしまった。
でもボクの前には、３人の写真が有り、
今も３人からの愛情を感じている。
